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SOS技術

SOS技術 - UltraCMOS™ -

UltraCMOS™

UltraCMOSとは、SOS(シリコン・オン・サファイア)技術であり、サファイア基板の上に結晶欠陥のほとんど無いシリコンの薄い膜を形成し、そこに通常のシリコン半導体と同様にMOSトランジスタ、抵抗、キャパシタ等の素子を形成するSOI(Silicon On Insulator)技術の一種です。SOS技術自体は30年ほど前から世界中の様々なメーカで開発が進めらてきました。しかし、従来は形成したシリコン層の欠陥が多く、そのすばらしい特性にかかわらず、一般的に使える価格帯で製造することができませんでした。そのため、軍事用、宇宙用の特殊な用途にのみ限定的に使用せざるをえませんでした。
1990年に設立された米国・ペレグリン社(Peregrine Semiconductor Corporation)は、UTSiR(Ultra Thin Silicon)技術という、従来のシリコン基板と同等レベルの結晶品質をもったシリコン・オン・サファイア基板の開発に世界で初めて成功しました。このSOS基板にMOSトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ等の素子を集積したLSIを、安価に、大量に生産することが可能になりました。SOS基板上にCMOSを集積することにより、従来にない特性のLSIが実現でき、これをUltraCMOSと呼んでいます。

2003年1月、OKI はペレグリン社より、これらSOS関連技術による半導体の設計、製造、販売に関する広範囲な提携を行いました。この契約に基づき、ペレグリン社と共同で携帯電話機向けRFスイッチ等のワイヤレス関連商品を開発しています。


CMOS RFスイッチ


UltraCMOSウェハ

*ペレグリン社ホームページ http://www.psemi.com
*UltraCMOS、UTSiは、米国Peregrine SemiconductorCorporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。


UltraCMOSの特長

  • 通常のCMOSに比べて、構造が簡単で理想的な素子特性を発揮でき、特に高速、高周波の動作に最適です。
  • 既存のCMOS工場と装置を使用できます。
  • CMOSのロジック回路が混載できます。
  • 各々絶縁体で分離されたトランジスタを縦積みすることにより高電圧のハンドリングが可能です。
  • 基板電極の無い完全空乏型トランジスタ(FD-SOI)のため、接合容量がなく電圧によるリニアリティ特性が優れています。
  • オンチップインダクタは、基板が絶縁体のため渦電流の発生が無く、基板との容量がないこととあいまって、優れた特性が得られます。
  • マスク、工程の追加なく、不揮発性メモリ(EEPROM)の搭載が可能です。

UltraCMOS vs BulkCMOS


サファイアについて…

サファイアとは?

サファイア(Sapphire)は、その名の由来をラテン語のSapphirus(青色の意味)とするといわれています。その名のとおり青い色の宝石、また9月の誕生石としてよく知られていますが、その正体は、酸化アルミニウム(Al2O3)からなるコランダムという無色透明な鉱物の一種です。このコランダムに微量の鉄(Fe)、チタン(Ti)が混ざることで、美しい青色のサファイアとなります。他にも、混ざる物質の違いにより様々な色を発しますが、特定の赤を除きすべてサファイアと呼びます。コランダムにクロム(Cr)が混ざり赤色を発したものだけは、ルビー(Rubby)と呼ばれこれも赤色の宝石としてよく知られています。

その美しい色で人々の心をつかんできたサファイアやルビーも、「一円玉」と同じアルミニウムの仲間ということになります。ちなみに、多くの女性が憧れるダイヤモンドは、炭素(C)でできていますので「炭(すみ)」の仲間ということになります。少し宝石を見る目が変わりますね。


宝石とは別の顔

サファイアには、美しい宝石という以外に、優れた特性をもつ材料という別の顔があり、人工的に作られたサファイアが様々な方面で利用されています。材料として生産される人工サファイアには不純物が少ないのでその色は通常無色透明です。優れた特性の中には例えば硬度があり、その硬度は鉱物の中でダイヤモンドに次ぐもの(モース硬度9)で、レンズなどの研磨剤として使われています。身近なところでは、その硬度からくる耐傷性と高い透明度から腕時計の風防ガラスに使われたり、光透過性や耐熱性からCDのピックアップレンズなどに採用されています。意外なところでは、路上の交通標示(横断歩道など)の塗料には滑り止めのため耐摩耗性に優れたサファイアが混ぜられています。

このようにサファイアは、硬度以外にも、機械的特性、化学的安定性、電気的特性、光学特性、熱的特性、などに特徴をもった工業用、民生用材料として広く応用されています。


エレクトロニクスの分野で

単結晶基板の製造技術の向上により良質のサファイア基板が大量に生産可能になり、加えて近年、新しい光として目にするようになった白色・青色などのLED発光素子の製造に多くサファイア基板が使われるに至って、エレクトロニクス分野へのサファイアの応用が脚光を浴びるようになりました。

シリコン半導体の分野を見ると、サファイア基板上にシリコンデバイスを形成するSOS(Silicon on Sapphire)技術は、技術的な課題のため近年まで一部な特殊な用途のみへの応用に止まっていましたが、その課題を新しい技術(UTSi)により克服したこと、また良質な大口径のサファイアウエハの生産が可能になったことにより、民生用の製品の大量生産が可能となりました。SOS製品により、サファイアの電気的絶縁性、低誘電損失といった特徴を生かした、特にRF分野で優れた製品を提供できるようになりました。

高純度のサファイアウエハに宝石の青い輝きはありませんが、SOS技術としてその優れた特性で、RF分野を明るく照らし続けます。